☕ 「お湯は中心に注ぐべき?それとも端まで注いでいいの?」ハンドドリップをしていると一度は迷うこの疑問を、TDS測定まで使ってガチ検証した動画をご紹介!思わぬ結果に驚くかもしれません。
📺 今回紹介する動画
コーヒー抽出の科学的検証で人気の「Kenken Coffee」チャンネルが2025年4月に公開した抽出検証動画です。「お湯を端まで注ぐべきか、中心だけに注ぐべきか」という永遠の疑問を、テイスティング・TDS測定・抽出収率の計測まで行うガチの検証で解明しています。
動画は英語タイトルで公開されていますが、内容は日本語で解説されており、誰でもわかりやすく視聴できます。科学的なアプローチでコーヒーを追求するKenken Coffeeらしい、データに基づいた検証内容です。
🔬 検証の条件(00:00〜02:04)
今回の検証では、注湯位置以外のすべての条件を統一したうえで比較が行われています。
| 項目 | 条件 |
|---|---|
| ドリッパー | HARIO V60 01 |
| フィルター | CAFEC ペーパーフィルター |
| コーヒー粉 | 同一の豆・同一の挽き目 |
| お湯の量・温度 | 同一 |
| 違う条件 | 注湯位置のみ(中心 vs 端まで) |
測定にはDiFluid Omni(TDS・屈折率計)とDiFluid Drip Scaleを使用。テイスティングと数値の両面から検証するというKenken Coffeeらしい徹底ぶりです。
💡 TDS(Total Dissolved Solids)とは、コーヒーに溶け込んだ成分の濃度を示す数値です。TDSが高いほど成分が多く抽出されていることを意味します。一般的においしいコーヒーのTDSは1.2〜1.5%とされています。
🧪 3つの注湯パターンを検証(03:38〜)
今回の検証では以下の3パターンの注湯方法を比較しています。
① 端まで注ぐ(全面注湯)
ドリッパーの端(縁に近い部分)まで広範囲にお湯を注ぐ方法。粉全体に均等にお湯が当たるように大きく円を描くように注ぐスタイルです。「粉全体を均一に濡らす」という考え方が基本にあります。
② 中心だけに注ぐ(中心注湯)
ドリッパーの中心部分のみにお湯を注ぎ続ける方法。端には直接お湯を当てず、中心から自然に広がるお湯の流れで全体を抽出します。「フィルターに直接お湯が当たるのを避ける」という考え方から来ています。
③ リング状ドリッパーでの検証(13:37〜)
動画後半では、リング状の特殊ドリッパーを使用した検証も実施。ドリッパーの形状によって注湯位置の影響がどう変わるかも検証されています。
👅 テイスティング結果(06:07〜)
実際に飲んで比較したテイスティングの結果はこちらです。
端まで注いだコーヒー
粉全体にお湯が当たるため、成分の抽出が進みやすい傾向があります。テイスティングではコクがあり、しっかりした味わいが感じられました。ただし、フィルターにお湯が直接当たることで若干の雑味が出やすいという側面もあります。
中心だけに注いだコーヒー
中心に集中してお湯を注ぐことで、粉層を通過する際の均一な抽出が期待されます。テイスティングではクリーンでスッキリとした味わいが特徴として挙げられました。ただし、端の粉に十分お湯が当たらない場合は未抽出になる可能性もあります。
📊 TDS測定・数値の結果(10:13〜)
テイスティングだけでなく、TDS(溶存成分濃度)と抽出収率の数値も計測されています。
検証の結果、注湯位置によってTDSと抽出収率に明確な差が生じたことが数値として確認されました。一般的な直感「端まで注いだ方が抽出が進む」という仮説が、数値でも裏付けられています。
一方で、数値が高ければ必ずしもおいしいわけではなく、「味のバランス」という観点では単純に抽出量の多い方が優れているとは言えないという示唆も得られています。
💡 抽出収率とは、コーヒー粉の中から実際にお湯に溶け出した成分の割合です。SCA(スペシャルティコーヒー協会)の推奨範囲は18〜22%とされており、これより低いと未抽出(酸っぱい・薄い)、高いと過抽出(苦い・えぐい)になりやすいです。
🤔 抽出の考察(13:00〜)
数値とテイスティングの結果を踏まえ、Kenkenさんは以下のような考察を展開しています。
注湯位置よりも「粉層の通過」が重要
お湯がどこに当たるかよりも、「お湯が粉層をどのように通過するか」の方が抽出への影響が大きい可能性があります。端まで注ぐと粉全体が濡れやすい一方、中心注湯では粉層をじっくりお湯が通過することで均一な抽出が促されます。
フィルターへの直接注湯は避けるべき
端まで注ぐ場合でも、フィルター(縁の紙部分)に直接お湯が当たるのは避けるべきです。フィルターに当たったお湯は粉を通らずにそのまま落ちてしまい、抽出の均一性が損なわれます。「端まで」というのは粉の端まで、であってフィルターの端まではNGです。
豆の焙煎度・挽き目との関係
注湯位置の影響は、使用する豆の焙煎度や挽き目によっても変わります。浅煎りで成分が抽出されにくい豆は端まで注ぐことで抽出を助ける効果がある一方、深煎りで成分が出やすい豆では中心注湯の方がバランスを取りやすい場合もあります。
🍩 リング状ドリッパーでの検証(13:37〜)
動画の後半では、通常のV60とは異なるリング状(ドーナツ型)のドリッパーを使った検証も実施されています。
リング状ドリッパーは粉の分布が中央に集まりにくい形状のため、注湯位置の影響がV60とは異なる結果になります。形状が変われば最適な注湯位置も変わるというのが重要なポイントで、「ドリッパーの形に合った注ぎ方をする」という視点が大切だと示されています。
💭 味の考察(16:53〜)
数値だけでは語れない「味の考察」のパートでは、以下の観点が取り上げられています。
- 抽出率が高ければ必ずしもおいしいわけではない:TDSや収率が目標範囲内でも、注湯方法によって味の質(クリーン感・バランス)が変わる
- 注湯の安定性がより重要:端まで vs 中心よりも、毎回同じ注ぎ方をすることで再現性が上がる
- 好みや豆の個性で使い分ける:コクを出したければ端まで、クリーン感を重視するなら中心注湯が向いている場合がある
🎯 結論(20:53〜)
動画の最終的な結論をまとめると、こうなります。
| 注湯スタイル | 特徴 | 向いている場面 |
|---|---|---|
| 端まで注ぐ | 抽出量多め・コクが出やすい | 深煎り・ボディ感を出したいとき |
| 中心だけに注ぐ | クリーン感・バランス重視 | 浅煎り・フルーティーさを活かしたいとき |
| 最重要ポイント | フィルターへの直接注湯は避ける。毎回同じ注ぎ方で再現性を高める | |
🎤 まとめ:「どっちが正解」よりも「なぜそうなるか」を知ることが大事
この動画の最大の学びは、「端 vs 中心」という二択の結論よりも、なぜ味が変わるのかのメカニズムを理解することにあります。注湯位置によってTDSや収率が変わり、味のバランスが変わる——そのメカニズムを知ることで、豆や好みに応じて自分で調整できるようになります。
「なんとなく中心に注いでいた」「端まで注いでいいのかわからなかった」という方は、ぜひこの動画を参考に、意識的な注ぎ方を試してみてください☕


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