ジャパンハンドドリップチャンピオンシップ(JHDC)とジャパンブリュワーズカップ(JBC)の二冠を達成し、世界大会でも準優勝を果たした畠山大輝さん。
畠山さんの抽出の最大の特徴は、コーヒーの**「甘み」と「タクタイル(質感)」**を最大限に引き出すことにあります。この記事では、著書や動画でも紹介されている代表的な2つのレシピを分かりやすく解説します。
1. V60 基本の抽出レシピ(至高のコーヒー)
畠山さんの著書『至高のコーヒーの淹れ方』でも紹介されている、どんな豆でも美味しく淹れられる「5投式」の基本レシピです。
抽出の基本データ
| 項目 | 設定値 |
| コーヒー粉 | 13.5g(中〜中細挽き) |
| お湯の量 | 230g |
| お湯の温度 | 85℃(深煎りの場合は80℃) |
| ドリッパー | Hario V60(またはフラワードリッパー) |
ステップ別・抽出手順
- 【0:00〜】1投目:40g全体を濡らすように注ぎ、しっかり蒸らします。
- 【0:40〜】2投目:+40g(計80g)円を描くように注ぎ、粉を攪拌(かくはん)して成分を引き出します。
- 【1:00〜】3投目:+80g(計160g)外側の粉の土手を崩すように、まんべんなく注ぎます。
- 【1:20〜】4投目:+40g(計200g)中心に500円玉ほどの円を描きながら、やや太めに注ぎます。
- 【1:40〜】5投目:+30g(計230g)中心に太めに注ぎ、2:20頃に落ちきったら完成です。
畠山流ポイント:
一般的なレシピでは「最後の一滴は落とさない」と言われることが多いですが、畠山流は**「最後まで落とし切る」**のが正解。2分を過ぎたあたりから溶け出す「オイル分や食物繊維」が、心地よい質感を生みます。
2. エアロプレス レシピ(とろみと甘み重視)
「インバート法(逆さま)」を用いた、リッチでシルキーな口当たりを楽しむためのレシピです。
抽出の基本データ
| 項目 | 設定値 |
| コーヒー粉 | 13.5g(中〜細挽き) |
| お湯の量 | 230g |
| お湯の温度 | 85℃(深煎りは80℃) |
ステップ別・抽出手順
- 準備エアロプレスを逆さまにセットし、粉を入れます。
- 0:00〜0:10お湯を230g一気に注ぎます。本体を回しながら注ぐと粉全体にお湯が行き渡ります。
- 〜2:00キャップをして、プランジャーを少し押し下げて中の空気を抜き、2分まで待ちます。
- 2:00〜2:15本体をひっくり返してサーバーに乗せ、3回ほど優しく揺らして攪拌します。
- 2:15〜3:151分間かけて、極めてゆっくりとプレスします。
畠山流ポイント:
プレスのスピードが重要です。ゆっくりと圧をかけることで、雑味を抑えつつ、とろみのある独特の質感(タクタイル)を作り出せます。
3. 新作 V60 NEO レシピ(超速・攪拌メソッド)
2025年発売の「V60 NEO」の抜けの良さを最大限に活かした、テクニック不要のシンプルレシピです。畠山さんが「これなら誰でも同じ味になる」と語る、攪拌(ステア)メインの抽出法です。
抽出の基本データ
| 項目 | 設定値 |
| コーヒー粉 | 13g(中細挽き〜細挽き) |
| お湯の量 | 200g |
| お湯の温度 | 92℃〜95℃(高め推奨) |
| ドリッパー | HARIO V60 NEO |
ステップ別・抽出手順
- 0:00〜 1投目(40g)全体を濡らすように注ぎ、すぐにスプーンやマドラーで5〜10回ほど優しく攪拌します。45秒まで蒸らします。
- 0:45〜 2投目(残り160gを一気に)計200gになるまで一気に注ぎます。注ぎ終わったら、再びドリッパー内を軽く1〜2周スプーンで回します。
- 落ちきったら完成NEOは抜けが速いため、微粉による目詰まりを気にせず攪拌しても、2分前後ですっきりと落ちきります。
畠山流ポイント:
従来のV60で攪拌しすぎると「目詰まり」の原因になりますが、NEOはリブの設計上、抜けの良さが維持されます。**「しっかり混ぜて成分を出し、NEOのスピードで雑味が出る前に落とし切る」**のが、このレシピの狙いです。
畠山流・美味しく淹れる3つのコツ
- 「攪拌」を恐れないお湯を動かすことで、コーヒーの成分を効率よく引き出します。
- 温度は「85℃」を基準に沸騰したてのお湯ではなく、少し温度を下げることでトゲのない甘い仕上がりになります。
- 質感を楽しむサラサラしたコーヒーではなく、口に残る心地よさを意識して味わってみてください。

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